お兄ちゃんにはまけへんでぇ〜

yosihira2009-09-29

今日の一品   鯛・松皮造り

天然の鯛です。
でも“はやい鯛”です。

朝、私を見つけるといつものお兄ちゃんが
「よう肥えてるけど“はやい”ねん!スケてぃやぁ〜。これでええから〜、なっ!」
と言いながら腰の辺りで右手で‘フレミングの法則’ような指使いのサインを。
“ほな、これと込みって事で(笑”
と横の‘普通の鯛’を一匹持って言うと
「かんにんしてぇ〜やぁ!それやったらこれで〜」
とさっきとはちょっと違う‘フレミングの法則’の動きに
手首のひねりがプラスされたサインを。
“えっ!わからへん!こっちも、はやかった事にしたらええやん、なっ!(笑”
と‘ガイ’を言って帳場へ行きさっさと精算。
ご心配なく、お兄ちゃんは損をしません!
私を呼ぶ前に元卸し(せりをする会社)のお兄さんに
‘はやい鯛’を見せてクレームをつけていましたから元値も下がってます。
でないとお兄ちゃんがアッサリと引き下がる事がありませんから!

「はやい鯛」の「はやい」とは、
身が短時間(2時間以内位)で硬直する(しまる)事です。
下の図でいうと、1〜3までの過程が早い事で、だから「はやい」です。
《魚の活け〆(死)後の身の変化》
1しめる=死→2硬直(硬化)開始→3完全硬直→
→4解硬*1→5軟化→6腐敗
“1〜2”活けの状態・“1〜4途中”活きが良い(生食可)
“1〜5前半”までが鮮魚と呼ばれる。
身に旨味が増してくるのが2以降で、
各過程で違った食感と旨みを楽しむことができます。

今日はこれを、

Man on the Moon: The End of Day

Man on the Moon: The End of Day

*1:硬く成った身が軟らかく成って行く事